NPO法人BSケア、モンゴルで乳房ケアセミナーを開催
NPO法人BSケアは、2024年6月25日(火)と6月26日(水)の2日間、モンゴル最大級の産科関連施設「モンゴル国立母子健康センター」(ウランバートル)で乳房ケア「BSケア®」セミナーを開催します。モンゴル国では出生率が高く母乳育児が盛んです。このセミナーでは、現地の医療従事者に対して、赤ちゃんの母乳吸啜に基づいた乳房ケア「BSケア®」の理論と実技を伝えます。海を越え、国際支援の新たな1歩を踏み出します。
セミナー詳細
- 開催日: 2024年6月25日(火)~26日(水)
- 会場: モンゴル国立母子健康センター(ウランバートル)
- 講師:
- NPO法人BSケア理事長 寺田恵子
- NPO法人BSケア監事 浅野美智留
- 実技サポーター:
- BSケアプレゼンター® 7名
- 大橋久美子、松田志帆、山田明美、峯田昌、中島美由紀、緒方理佐、山口多佳子
- 受講者: モンゴル国の医療従事者(医師・助産師・看護師)25名
※BSケアプレゼンター®とは
当法人により認定された信頼できる母乳育児支援者(助産師)です。
モンゴル国でのセミナー開催の経緯
モンゴル国でのセミナー開催のきっかけは、あるモンゴル人小児科医の女性の強い希望に基づいています。彼女は北海道で出産した義娘の乳房ケアに同行し、「BSケア®」によって、やさしいケアで乳房に生じた現象(母親の訴え)が解消される様子を目の当たりにしました。そして、このケアをモンゴル国に広めたいという思いから、現地の医療機関や行政に働きかけて実現しました。この施設でのBSケア®のセミナー開催は、2023年12月3日のオンライン開催に続き2度目です。念願叶っての現地開催が実現します。
セミナー内容
- 講義:
- BSケアの基本の考え方
- BSケアの理論
- 実技:
- 模型を使用した実技練習
- BSケアの実際の場面を複数回見学
ケアを受けたお母さんのケア後の様子を目の当たりにする経験で、
これからのモチベーションを維持する。
- フォローアップ: 受講後の実践状況の調査と継続的なサポート
モンゴルでの継続的なサポート
セミナー開催後も、モンゴルの医療現場でのBSケア®と母乳育児支援の定着を目指し、継続的なフォローを行います。現地の受講者の実践状況の調査や支援を通じて、母子の健康と母乳育児の推進に貢献していきます。
BSケア®について
「BSケア®」は、2002年に誕生した乳房ケアで、赤ちゃんの母乳吸啜を手で再現することにより、お母さんの乳房の反応を引き出す手技です。
産後のお母さんたちの「乳房マッサージが痛かった」「食べるものをきつく制限され、栄養失調になりそう…」という言葉をきっかけに、心身共にお母さんに痛みや負担与えないことを目指し理論と実技を確立しました。
当法人のセミナーでは、「その日の準夜勤務から実践できる」を合言葉に、赤ちゃんの母乳吸啜メカニズムや解剖学に基づいた理論・実技、臨床現場で多く出会う症例のアセスメント~実践、実践の中でのお母さんへの声掛け等を、段階に応じて学べるよう構成されています。
法人化以前を含め20年以上にわたり日本各地でセミナーを開催し、受講者の延べ人数は40,000人超、100名以上のBSケアプレゼンター®が誕生しました。多くの助産師がこの手技を学び、臨床現場で活用しています。
母乳育児支援の課題
母乳育児支援には多くの課題があります。その一つが乳房ケア技術の習得です。日本では、乳房ケア技術は助産課程の必修項目ではなく、卒業後に各々で学ぶ必要があります。現場で教えてもらっても、母親から「痛い」と言われることがあり、ケアの効果も出ないことがあります。そして、日本が抱える乳房ケアにまつわる課題は、乳房ケアが一般的でない国で今後ケアが導入されていく際に生ずる課題とも言えます。
NPO法人BSケアが開催するセミナーの受講者の多くは、乳房ケアを学ぶ必要性や自身の知識・技術不足を感じています。(※)
受講者からは「エビデンスに基づいた乳房ケアを学ぶことができた」「助産観が変わった」「臨床で活かせる内容が多かった」「お母さんに痛みを与えないケアを目指したい」「お母さんと赤ちゃんに寄り添った関わり方をしていきたい」等の感想が寄せられています。
NPO法人BSケアは、長年のケアの実践と国内でのセミナー開催により得た知見を元に、今後も国内外での活動を行っていきます。育児の始まりが”幸せな思い”であることを願い、母乳育児を通してお母さまと赤ちゃんが心身共に健やかに過ごせる社会の実現に寄与して参ります。
(※参照:表「日頃のケアで困ること/NPO法人BSケア主催「BSケア®ベーシック・アドバンスセミナー(2022年度)」受講者アンケートより」)